JFMA (Japan Foundationbolt Manufactures Association) 建築用アンカーボルトメーカー協議会

アンカーボルトQ&A

材料

SNR鋼とSS鋼の違いは?
これまで建築用鋼材は、一番手ごろな鋼材として一般構造用鋼であるSS鋼が使用されてきました。1996年に新しくJIS規格として制定された建築鋼構造用のSNR鋼は、建築構造にふさわしい優れた性能をもった鋼材です。地震時、耐震性能に必要となる伸び能力や溶接部の性能保証などから、SS材より機械的性質や化学成分が厳しく規定されています。
SNR鋼とSS鋼の見分け方は?
SNR鋼は従来のSS鋼と外観では区別できません。鋼材のミルシート管理に頼るしかありません。そのため、アンカーボルト等を発注されるときは、協議会会員をはじめとする信頼できるメーカーへご依頼ください。協議会会員は素材から製品までトレーサビリティーができるよう、認定工場制度をはじめ品質の保証に全会員で取り組んでいます。
ミルシートの管理の方法は?
JSS規格アンカーボルトの性能は主にSNR鋼の鋼材品質が重要な決め手になっています。協議会の会員メーカーでは日本建築学会の「建築工事標準仕様書JASS6(鉄骨工事)のミルシート管理」にそって鋼材の履歴を保証しています。建築用アンカーボルトメーカー協議会では合わせて素材から製品完成までのロット追跡・トレーサビリティーも保証して、お客様に安心していただける品質保証を推進する製作工場の認定活動も行っています。
SNR鋼とSN鋼の違いは?
鋼材の成分や性能については全く同一のものです。SN鋼(JISG3136)は1994年に制定され、建築構造用熱間圧延鋼材(鋼板、鋼帯、平鋼、形鋼)を対象としたものです。またSNR鋼(JISG3138)は1996年に建築構造用熱間圧延棒鋼(丸鋼、角鋼、バーインコイル)として制定されました。
SN鋼・SNR鋼とSM鋼との違い(特にA,B,C)は?
SN鋼・SNR鋼はSM鋼をベースとして鉄骨建築に求められている強度、伸びなどの特性が強化された鋼材です。従って、SN鋼およびSNR鋼は、建築構造用の鋼材としてはSM鋼の上位バージョンに該当します。溶接性の保証をねらっているSM鋼のA、B、C種の意味は「シャルピー吸収エネルギーの規定値の違い」を表しており、SN鋼・SNR鋼のA,B,Cの意味は「使用部位の違い」を表しています。A種は溶接しない補助部材用、B種は主要構造部材または溶接する部材用として、C種はさらに板厚方向特性が必要な部材用となっています。
SNR鋼の成分の特徴は?
これまでのSS鋼(JISG3101)の成分規定値は、不純物であるP(リン)とS(イオウ)の含有上限値のみが定められているだけでした。SNR鋼は化学成分のうち、溶接性の保証のためMn(マンガン)の含有量に上限値と下限値を設け、さらにSS鋼より不純物のPとSの上限値をきびしく抑えています。
SNR鋼の強度の特徴は?
SNR鋼の引張強度は400N/mm²と490N/mm²の2種類で従来のSS鋼とは同じですが、その他に伸びや降伏点の範囲、降伏比などが規定されています。
降伏比の意味は?
「降伏比」は鋼材の「降伏点」を「引張強さ」で割った値です。その意味は引張強さの何%の応力で降伏(塑性伸び)するかを表しています。即ち降伏比が低いほど鋼材の降伏後の伸び能力と耐力上昇が大きくなります。建築構造用のアンカーボルトは地震時の大きな塑性歪を吸収し、ボルト降伏後の伸びや耐力を保証するために降伏比を低くしています。降伏比の規制のない材料で製作したアンカーボルトは軸部が塑性変形する前に、ねじ部破断をおこす可能性が大きいのです。
ABM400、ABM490の降伏比が75%以下となっている理由は?
製鋼メーカーより鋼材の安定供給を得るために、2004年版で75%以下に統一改定されました。ねじ部の破断に先だって軸部全体の降伏が先行し、アンカーボルトとして必要な塑性変形を確保するため、軸部に対するねじ部の有効断面積比が降伏比より高くなければなりません。切削ねじであるABMではこの条件を満たすため、ABM400とABM490のアンカーボルトでは細目ねじに統一し、降伏比を75%以下に改定しています。
降伏比を満足するSNR材は入手できるか?
現在降伏比75%以下の性能を有するSNR鋼を製造する製鋼メーカーは全国で4〜6社となっており、鋼材市場の一部でも在庫品小売が始まっています。また協議会会員が各種サイズのSNR鋼を在庫してより良い製品をより早くお届けする体制ができています。
JIS規格と異なる降伏比のJSS規格の材料はJIS規格品か?
JISG3138のSNR鋼規格の中で建築構造用として高い要求を掲げたものが「アンカーボルト用」の日本鉄鋼連盟製品規定MPCR0006-2004です。もちろんJIS規格の範囲に該当しています。
JSS規格の材料は建築基準法の指定材料か?
2000年改正された建築基準法で、はじめてSN鋼(JISG3136)とSNR鋼(JISG3138)が指定材料に入いりました。JSS規格の材料は、JIS規格のSNR鋼より厳しい規制値がありますが、JIS規格を全て満足しているので、建築基準法の指定材料です。
材料径の公差が、同じ転造ねじであるABRとJISブレースは違うのですか?
アンカーボルト規格を制定する過程で、当時ブレースのねじは旧3級の精度であり、アンカーボルトのねじは8gの精度で検討しました。アンカーボルトのサイズはブレースより太径のM48まであるため、鋼材メーカーの製造能力も調査して決められました。その結果材料径の公差に少し違いがでていましたが、2003年2月、ブレースのJIS規格が改正され、ねじ精度が同じ8gになりましたので両者の材料径が統一されました。
材料径の公差の厳しいJSS規格を満足する材料は入手できるのか?
現在SNR材を製造している製鋼メーカーは4〜6社です。製造している材料のほとんどは厳しい公差ですが、規格の範囲を満足しています。なお、ABRはアンカーボルトのねじ精度を保証するために、又ABMはアンカーボルトの性能を保証するために、厳しい寸法公差が必要になっています。
ユーザーへの品質保証は?
JSSII13・14にもとづく製品につきましては、鋼材ミルシートはもちろん製造工程でのロット管理や製品寸法検査もおこなってアンカーボルト・ナット・座金のセットとして製品検査成績書を発行して品質を保証しています。