JFMA (Japan Foundationbolt Manufactures Association) 建築用アンカーボルトメーカー協議会

アンカーボルトQ&A

ねじ

転造ねじと切削ねじの加工方法の違いは?
転造ねじは転造ダイスの間に丸棒を挟み込んで塑性変形によってねじ山を成形します。切削ねじは丸棒または刃物を回転し、丸棒からねじの谷部を削り取ってねじ山を造ります。
転造ねじと切削ねじの形状や性能の違いは?
転造ねじは、ファイバー(金属組織の流れ)が切断されず、特にねじ底部はファイバーが圧縮されているので、ねじ部の強度は軸部とほとんど同じです。一方切削ねじは、ファイバーが切断されてねじ形状を作るのでねじ谷は強化されず、ねじ部は軸部より断面積が小さいため強度は弱くなっています。同じサイズのABRとABMでは降伏耐力や破断までの塑性伸びが違いますが、いずれもJSS規格で要求する性能を満足しています。
ABR(転造ねじ)で下絞り転造ではいけないのか?
ABR(転造ねじアンカーボルト)は、ねじの有効径にほぼ等しい外径の丸棒を使用して、軸部に直接転造したものです。ねじ部だけを下絞りして有効径に加工したものに転造したものは、ねじ部の断面積が軸部断面積より小さくて強度が弱く、伸びも小さく性能が劣ります。 よって、JSS規格品では下絞り加工品は認めていません。
ABR(転造ねじ)で有効断面積や強さの計算は、JISブレースと異なるのか?
SNR400B材を使用するJISブレースは、転造用丸棒の外径の最小値を基準として、断面積を計算しています。一方、同素材を使用するABR400(転造ねじアンカーボルト)は軸部、ねじ部共基準径を用いて標準性能として表しています。両規格とも同じ径の素材を使用していますが、計算基準の違いにより公称耐力には違いが出ています。
ABR(転造ねじ)は、なぜM48までしかないのか?
転造ねじは性能が優れ量産にも向いているのですが、M48を超える大きなサイズでは、転造盤、転造ダイスも大きく高価となり、現実的には供給できません。そこで太径の場合は比較的生産が容易な切削ねじのABMでM100までのサイズを準備しています。
ABM(切削ねじ)の材料は、なぜ降伏比が小さいのか?
切削細目ねじは、ねじ部が軸部の85%程度の断面積となっているため、軸力が作用すると、ねじ部のみが集中的に伸びるため、降伏点をある程度以下に抑えた伸びやすい材料を使わないと、JSS規格が求めるアンカーボルト全体の伸びは期待できません。そのため、ABM400、ABM490では75%以下と定められています。
ABM(切削ねじ)はなぜABR(転造ねじ)より強度が小さいのか?
上記のように、転造ねじの強度は、軸部断面積で決まり、切削ねじは軸部断面積より15%程度小さいねじ部有効断面積で強度が決まるので、同じサイズのABMはABRより強度が小さくなります。
ABM(切削ねじ)はなぜABR(転造ねじ)より伸びが小さいのか?
上記のように、転造ねじは、ねじ部と軸部の強度がほぼ等しいのでアンカーボルト全体が伸びます。一方切削ねじは、ねじ部の強度が軸部より低いので、ねじ部ばかりが主に伸びて破断し全体の伸びは小さくなります。
ABM(切削ねじ)はなぜ細目ねじか?
ABMを並目ねじにした場合、アンカーボルトとしての伸び能力を保証するため、軸部に対するねじ部の有効断面積比を降伏比より高く(112%以上)にすることが必要で、降伏比を70%以下に下げなければなりません。しかし、鋼材メーカーでは降伏比は75%以下しか安定して保証できないとのことですので、ABMはねじ部有効断面積が並目より大きくなる細目ねじにしています。
ABM(切削ねじ)の有効断面積や強度の計算の基準は?
切削ねじの降伏や破断はねじ部分で起こるので、アンカーボルトの耐力や引張荷重はねじ部有効断面積にF値や引張強さ(最小値)を掛けて求めます。なお、JSSではこれらの値は、基準寸法のねじ部有効断面積に掛けて求めた標準性能として表されています。
ABM(切削ねじ)はなぜM22以下がないのか?
ABMの並目ねじのM22以下では、アンカーボルトの伸び能力を確保するに必要な、軸部に対するねじ部有効断面積比(112% 降伏耐力比より大きな)が得られないため設定されていません。
ABM(切削ねじ)はなぜM100超えがないのか?
JSSⅡ-13、JSSⅡ-14で規定された建築構造用アンカーボルトは、10階建て以下の中低層建築物に使用される露出形式の柱脚用のアンカーボルトとして設定されています。過去の使用実績調査の結果、ボルトサイズはM100以下で充分とわかりましたので、ABMもM100を上限にしています。なお、M100を越えたアンカーボルトもJSS規格に準じて製作が可能ですので、必要な場合は当協議会会員にご相談下さい。
ねじ外径の測定はいらないのか?
ねじ外径の測定は必要です。ノギスなどで測定し、JISB0209-3の公差域クラス8gの精度に入っている事を確認します。
ねじ精度はどのように測るのか?
アンカーボルトなどのおねじの精度は、限界ゲージ(リンクゲージ)をネジ部にねじ込んで測定します。規格範囲内の適正なボルトは、通りゲージはねじの根元までスムーズにねじ込まれ、止まりゲージはねじ山には入っていきません。リングゲージはねじの有効径が適正範囲内にあることを知る為の器具で、ねじピッチも同時に確認できます。
8gの意味は?
ねじの基準寸法「JIS B 0209-3」 公差域8gのことです。アンカーボルトなどのおねじの公差で、外形、有効径、谷径の基準寸法に対する最大・最小の範囲を規定しています。
旧3級ねじ用ゲージは「8g」用として使えるか?
「旧3級」の有効径の最大値最小値は、両方とも「8g」の有効径の最大値・最小値の内側に入っているので、実用上は使用しても問題ありません。但し、ねじについて現在のJIS規格(JIS B 0209-3;2001)では、「旧3級」は残っていませんので、正式の「8g」のリングゲージを使うのが原則です。
通りゲージ、止まりゲージは何を検査しているのか?
リングゲージは、有効径とねじピッチを確認しています。通りゲージは有効径より大きく作ってあり、止まりゲージは有効径より小さく作ってあるので、通りゲージがスムーズにねじ込め、止まりゲージがねじ込めないのが適正な有効径のねじです。なおねじピッチが基準寸法で作られているか否かは、通りゲージをスムーズにねじ込まれることにより確認できます。